ギターソロになった瞬間、ちゃんと弾いているのに音が埋もれて聞こえない。
だからといって歪みや音量を思い切り上げたら、今度はうるさいだけの音になってしまう。
こんな経験、ありませんか?
ギターソロの音作りで大切なのは、単純に音をデカくすることではありません。バッキングとの差を作り、ボーカルやほかの楽器を邪魔しない位置へギターを出すことです。
結論としては、次の順番で調整すれば失敗しにくくなります。
- バッキングの音を先に完成させる
- ソロ時だけ音量を少し上げる
- 中域を足して音の輪郭を出す
- 歪みと低域を増やしすぎない
- ディレイを薄く足して音を伸ばす
この記事では、ライブやバンド練習でギターソロを埋もれさせない設定方法を、実際に試す順番で解説します。
ギターソロの音が埋もれる3つの原因
まずは、なぜ自宅では気持ちよく聞こえた音が、バンドになると消えてしまうのかを知っておきましょう。
音量がバッキングと同じ
バッキングからソロへ切り替わっても音量がまったく同じなら、ギターが急に前へ出る理由がありません。
音数を増やしたり高いポジションを弾いたりしても、ドラム、ベース、ボーカルが鳴っている中では思ったほど目立たないものです。まずはバッキングとの音量差を作る必要があります。
低音と歪みが多すぎる
一人で弾くと、低音が多くて深く歪んだ音は迫力があります。しかしバンドでは、低音域にベースとバスドラムがいます。
そこへギターの低音まで大量に入れると、それぞれの音が重なって輪郭がぼやけます。さらに歪ませすぎると、ピッキングの強弱も見えにくくなります。
高音だけを上げて痛い音になっている
「抜けないならTREBLEを上げよう」と考えがちですが、高音だけを足すと耳に痛い音になることがあります。
ギターらしい存在感を出したい時は、TREBLEだけでなくMIDDLEも確認しましょう。ソロの輪郭が足りないからといって、最初からすべてのツマミを大きく動かす必要はありません。
ギターソロの音作りはこの順番で設定する
手順1:バッキングの音を先に作る
ソロ用の音から作り始めると、比較する基準がなくなります。まずは普段のバッキング音を、バンド全体の中で聞きやすい状態にしてください。
アンプの基本設定に自信がない場合は、先にギターのアンプとエフェクターの設定方法を確認するとスムーズです。
この時点では「一人で弾いて最高の音」ではなく、「歌やほかの楽器と一緒に鳴らして邪魔をしない音」を目指します。
手順2:ソロ時の音量を少しだけ上げる
次に、ブースター、イコライザー、マルチエフェクターのパッチやスナップショットなどを使い、ソロ時だけレベルを上げます。
最初は小さな変化から試してください。いきなり大幅に上げず、バンドで演奏しながら「ソロになったことが分かる程度」に調整します。
重要なのは、自宅の小音量ではなく、スタジオの本番に近い音量で判断すること。一人で音量差を決めても、ドラムが入ると印象は変わります。
手順3:中域を少し足す
音量を上げても輪郭が見えない場合は、ソロ時だけ中域を少し足します。
イコライザーを使えるなら、一つの帯域を極端に持ち上げるのではなく、ギターが前に出る場所を探しながら少しずつ動かしましょう。アンプのMIDDLEでも調整できますが、曲中に切り替えたいならペダルやマルチエフェクターのほうが便利です。
ただし、音量と中域を同時に大きく変えると、何が効いたのか分からなくなります。音量を決めてから中域の順番で試すのがポイントです。
手順4:歪みは増やしすぎない
ソロになるとサステインが欲しくなり、ついGAINを上げたくなります。しかし、歪みを増やすほど音が前に出るとは限りません。
すでにバッキングで十分に歪んでいるなら、ソロ用ブースターでさらに歪ませるより、音量や中域を足すほうが自然に聞こえる場合があります。
ピッキングが潰れている、速いフレーズが団子になる、コード感が分からないと感じたら、まずGAINを少し戻してください。歪ませすぎを防ぐ基本はギターの音作りとアンプ設定でも解説しています。
手順5:低域を整理する
ソロ音がモコモコして聞こえる場合、音を足す前に低域を減らしてみましょう。
BASSを上げた迫力のある音は一人だと気持ちいいのですが、バンドではベースとぶつかりやすくなります。低音を少し整理するだけで、全体の音量を上げなくてもギターの輪郭が見えることがあります。
手順6:ディレイを薄く加える
最後にディレイを加えると、単音が自然に伸びてソロらしい広がりを作れます。
ただし、反復音が大きすぎたり回数が多すぎたりすると、次のフレーズと重なって演奏がぼやけます。最初は「切ると少し寂しいけれど、入っている時は目立たない」くらいから始めると失敗しにくいです。
リバーブも同じで、深くかけすぎると音が遠くなります。ソロを前へ出したいのに、空間系で後ろへ下げないよう注意しましょう。
ソロ用エフェクターは何を使えばいい?
ソロ用として使いやすいのは、次の3種類です。
- クリーンブースター:基本の音色を大きく変えず、音量差を作りやすい
- オーバードライブ:音量に加えて歪みや中域も足したい時に使いやすい
- イコライザー:音量と必要な帯域を細かく調整しやすい
すでに歪みが十分なら、クリーンブースターかイコライザーから試すのがおすすめです。歪みの質そのものを変えたいならオーバードライブが候補になります。
ほかに何をそろえるべきか迷っている人は、ライブで必要なエフェクター3選も参考にしてください。
ブースターをつなぐ位置で何が変わる?
歪みエフェクターの前につなぐ場合
歪みの前で信号を押すと、音量よりも歪みや弾き心地の変化が大きくなる場合があります。サステインや歪みを増やしたい時に向いています。
歪みエフェクターの後につなぐ場合
歪みの後ろに置くと、完成した歪み音のレベルを上げやすくなります。ソロ時の音量差を作りたい場合は、まずこちらを試すと違いを判断しやすいです。
ただし、アンプ自体を強く歪ませている場合は、アンプの前でブーストしても音量が思ったほど上がらず、歪みだけが増えることがあります。その場合はアンプのエフェクトループ、チャンネル切り替え、マルチエフェクターの出力レベルなども検討してください。
マルチエフェクターならソロ用設定をまとめて切り替える
マルチエフェクターを使っているなら、ソロ用パッチやスナップショットに以下をまとめると便利です。
- 出力レベルを少し上げる
- 中域を少し足す
- ディレイをONにする
- 必要なら歪み量を微調整する
一度の操作で切り替えられれば、歌いながら弾く場合や短いソロでも踏み間違いを減らせます。HX Stompを使っている人は、HX Stompを実際に使ったレビューもどうぞ。
よくある失敗と直し方
ソロだけ急にうるさくなる
ブースト量を下げ、スタジオの演奏音量でもう一度確認します。ギター単体では小さく感じても、バンド全体では十分に聞こえる場合があります。
音量を上げても抜けない
低域と歪みを減らし、中域を少し足してください。全体音量だけを上げ続けると、聞こえやすさより耳への負担が増えてしまいます。
音が細くて迫力がない
低域を削りすぎていないか、中域を狭い範囲だけ極端に上げていないか確認します。設定をいったんバッキング音へ戻し、一項目ずつ調整し直しましょう。
ディレイでフレーズが濁る
ディレイ音の大きさ、反復回数、残響時間を減らします。速いフレーズほど薄めにし、長く伸ばすフレーズでは少し増やすなど、曲に合わせて調整してください。
最終確認は必ずバンド全員で行う
ギターソロの音作りは、自宅で完成させることができません。
スタジオで同じ部分を繰り返し、スマホなどでバンド全体を録音して確認しましょう。弾いている本人の立ち位置と、客席側で聞こえるバランスは違います。
できればメンバーにも「ソロになったことが自然に分かるか」「ボーカルやスネアを邪魔していないか」を聞いてください。自分の好みだけではなく、曲全体でちょうどいい場所を探すことが大切です。
まとめ:音を足す前にバッキングとの差を作ろう
ギターソロを前へ出す基本手順は以下です。
- バッキング音を基準にする
- ソロ時だけ音量を少し上げる
- 中域を足して輪郭を作る
- 歪みと低域を増やしすぎない
- ディレイを薄く加える
- バンド全体の音量で録音して確認する
ソロだからといって、GAINもBASSもTREBLEも全部上げる必要はありません。まずは音量差を作り、足りなければ中域、低域、歪み、空間系の順に一つずつ見直してください。
「何を変えたら聞こえるようになったのか」を把握できれば、ライブハウスやアンプが変わっても迷わず調整できるようになります。


コメント