僕が、以前実家に帰ったときに「バンドやろうぜ」という雑誌を見つけたんです。
そこで改めて気づかされたのが、
時代の流れは大きく、そしてスピード感をもって変わってきてるんだなぁということ。
そんなことを書いてみます。
あ、「バンドやろうぜ」っていう雑誌を知らない人は「バンドやろうぜ」といえば、アプリの前に雑誌だぜ!という記事で詳しく書いてあります。
手紙という文化
コレですよ。
これ、今のあなたも含めて、若い世代の人たちって、手紙を書いて相手とコミュニケーションを取る、、という手段、やったことないんじゃないですか??
だって、「メール」か「LINE」でほとんど解決しちゃうから。
なんでこんなこと書いたかというと・・・
あなたはきっと驚くでしょう。
バンドメンバーを探す時、
昔は手紙を出してたんですよ??
もっと恐ろしいことを言うと・・・
雑誌に住所が載っていて、
そこの住所に宛てて手紙を書いて送る
という手段しかなかった!!
・・・今考えると相当ヤバくないすか??
今思えば、よく犯罪起きなかったなぁーーと。。
いや、もしかしたら起きていたのかもしれない。
ぼくが単に知らなかっただけで。
当時の実際のやりとりはこんな感じ。
僕は「バンドやろうぜ」の発売日に本屋に行く。
結構毎月ワクワクと楽しみにしていた。
本屋に着き、
「今日はどんな表紙だろう?」
「メンバー募集は良い人載ってるかなぁ?」
こんな期待とともに「バンドやろうぜ」を買う。
家に帰ると、好きなバンドのインタビューやコンサートの写真、アーティストが使っている楽器や機材の写真なんかを見てはため息をつきながら興奮気味に読み進める。
そして次に色々すっ飛ばして「バンドメンバー募集コーナー」に進む。
ここで僕は
「住んでいるところ近い人いるかなぁ」
「好きなバンドが同じ人いないかなぁ」
「すでに活動してそうなバンドいないかなぁ」
・・・こんな思いを抱きつつ、
自分の住んでいる「東京都、埼玉」あたりの募集記事を探していく。
条件が合いそうな人に手紙を書く。
「あ!この人たち俺に合いそう!」
こう思った応募者さんに、僕は予め買っておいた素朴な白〜薄茶色の便箋に手紙を書く。
___________
「はじめまして。
東京都〇〇市に住む20歳の男です。
バンドやろうぜの募集を見て応募しました。」
「僕はLUNA SEAが好きで、今はV系のバンドを始めたくて曲を作ったりしています。
プロ志向です。
アレンジできます。オリジナル作れます。」
「ライブ、レコーディングの経験もあります」
「スタジオは〇〇駅〜〇〇駅あたりまでは活動可能です。」
「ぜひ一度お会いして話してみませんか?」
「僕の番号を書いておくのでよかったら電話してください。」
そして自分の顔がわかる「プリクラ」を貼り、
茶封筒に相手の宛先を書き、ポストに投函。
___________
・・・このような感じで
- 軽くご挨拶的な入り
- 自分の好きなジャンルやバンド
- 自分の経験やできること
- 希望する活動場所や頻度など
こんな情報を書き、
携帯(というよりPHS)の番号を明記しておく。
このような手紙を、
だいたい月に4〜5通ほど出していました。
後日相手から連絡が来る。
「誰かから返事くるかなぁ〜」
こんな期待をしながら
毎日バイトから家に帰ってきたときにポストの中を確認する。
そうすると、だいたい返事が返ってくる。
電話で直接かかってくるときもあれば、
ご丁寧に最初に手紙を返送してくれて「僕らは普段はこんな感じで活動しています。」
…と、より詳しい内容を書いてくれて、そのうえで「こんな感じですが、よかったら折返し連絡ください」
そして相手のプリクラが貼られている。
僕は見た目も確認しつつ、
気が合いそうな人だったらその場で電話をかける。
「はじめまして、バンドやろうぜで手紙のやり取りをしていたらいぞうです」
「あ〜〜!どうも!電話ありがとうございます!」
・・・このような流れで、
バンドメンバーを探し出してから大体1週間後くらいに相手とまともに連絡がつき、だいたい2〜3週間くらい経ってから、実際に相手と会う。
場所は喫茶店やチェーン店の居酒屋さんに向かうパターンがほとんど。
ボーカル募集の場合はそのままカラオケに直行するパターンなんかもあります。
手紙とメールの違い
どうもこうもなく、本当単純に、、
温かみが違うんです。
もう、まっったく違う。
昭和と平成の違いって、こういうところだと思いますよ。
真面目な話で。
ちなみに、字がキレイとか汚いとかあるじゃないですか。
字って、人の性格が出ます。
汚い人って本当に不利ですよ。
就活の履歴書なんか、超大事ですからね!
字が汚いだけで落とされたりとか、余裕でありますから。
—————————————-
はじめまして。
本気で歌いたいです。
歌が好きな気持ちは誰にも負けないです。
よろしくお願いします。
—————————————-
例えばこんな文章ひとつとってみても、
手紙だとこんな感じになります。
即席でぼくが書いたのであれですけど、、
なんか、温かみ、、、感じませんか?w
えっ?
怪文書??
んなわけないじゃないか!
。。。。はい。
でも、人間味は感じられると思うんですよね。
では、、
一方メールだとどうなるよ??
『はじめまして。
本気で歌いたいです。
歌が好きな気持ちは誰にも負けないです。
よろしくお願いします。』
上の文章そのまんまでしょ?
温かみどころか、むしろ素っ気ないですよね。
でも、「書いた人」が向こうには確実にいるのはどちらも同じ。
でも、これだけ違うんですよ。
手紙を今更書けない現状
残念ながら、これから手紙という文化は衰退するでしょう。
衰退どころか、なくなってしまうんじゃないか?と思う。
年賀状だって、もはや印刷されたものに一言添える程度ですよね。
手紙を書きたいのはいいとしても、、
今の文化がなかなかそうさせてくれないんですよ。
なぜなら、、、
手紙を相手に送るのに必要なものって、なんだろう?
あなたもちょっと想像してみてください。
あなたが好きな人、身内、お世話になっている人、ならまだしも、
バンドメンバー募集の雑誌に載っている人に手紙を書いて送るわけです。
要するに、顔も知らない他人に、です。
そんな人に、
自分の住所を相手に晒すことになりますよね?
このリスクがどれだけリスクか。
もちろん、雑誌に載せる側はもっとリスクです。
今、あなたがメンバー募集をしていたとして、
「連絡手段は手紙です」
と言われたら、どうですか?
ぜっったい使わないですよね。
誰かに、「手紙送りたいから住所教えてください」
って言われたら?
「あぁー、、よかったらメールでもいいですか?」
みたいに答えませんか?
結局、よっぽど親密な関係性がないと住所なんてもんは相手に教えないですよね。
だから、無機質なテキストで、本当はこんなことを伝えたいんだ!
っていうものでもなかなか伝わらない。
んでもって、
伝えよう伝えようと思って長文になったら、それはそれでメンドくさそうな人、、とか思われがち。
じゃあメールでやりとりするのにどうすれば?
単純なハナシですけど、
相手のことをちゃんと考えて文章を書きましょう
ってことですよね。当たり前ですけど。
だから、今と昔では、会った時の親近感が全然違うんですよ。
もっといえば、
手紙で始まる出会いなので、場合によっては文通なんかも始まったりしますよw
事実、ぼくも文通みたいになったことがあります。
結果的に一緒にバンド組むことはしなかったんですが、
お互いに手紙で近況を報告し合ったり、何気ない内容だったり。
んで、実際お会いしましょう!ってことになって、デートしたことなんかもあります。
初めて会ったときも、全然初めて感はなく、すごく楽しかったですね〜。
たぶん、これがメールだったらこうはいかなかったですよ。
もっと業務的に物事を進めてしまっていたでしょうし。
まとめ
もはや今となってはこういうコミュニケーションというものは、
初めての人とは出来ないんじゃないかと感じます。
そう考えると、めっちゃくちゃもったいないなぁ〜〜と思います。
バンドメンバーっていうのは、家族と酷似した関係性になりますからね。
そのくらい、深い深い関係になります。
あなたが素っ気ないメールだけで終わらせてしまった人。
もしかしたら最初のとっかかりが違っただけで、
深い関係になれる人だったかもしれませんよ。
要は何が言いたいかというと、、
SNSは情報発信においては最強のツールです。
youtubeで自分の歌やバンドの演奏、そんな実際の歌唱力、演奏力を、
URL一つ貼り付けるだけで相手に知らせることができる。
メールどころかTwitterのDMとかFacebookのメッセンジャーとかだけでやりとりができちゃう。
しかし、、、
簡単に相手とコンタクトが取れ、
どんなクオリティーでも演奏や歌を相手に送ることができちゃう分、
実際に会うということが異様にハードルが高くなってる気がするんです。
これって、すごくチャンスを逃している気がするんですよね。
なんでもかんでもウェブだけで完結させてしまうのは、
ちょっともったいないんじゃないかなぁと思ったわけです。
ではでは!
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] 前回、相手にメール送るのは「手紙」を理解してからにしたほうがいい。という記事を書いたんですけど、 […]